ナルシストな男
ナルシストな男性のお話です。
学生時代にサッカー部で活躍して背も高く勉強もできる。私服も清潔感満載。笑顔も素敵なA先輩・・・・
完全にモテ要素をギュっとつめたような先輩で、まぁ後輩の私たちも廊下ですれ違っただけでキャーキャー言っていました。
A先輩には親友B先輩がいて、その人もサッカー部で勉強もほどよくでき、普通にかっこよかったのですが、A先輩がキラキラしすぎていて少し影が薄い印象でした。
が、ある日を境に形勢逆転するのです!たった一日で!!
クラスマッチの日のことです。
A先輩はもちろんサッカーの試合に出ていて、女子はグラウンドに集まり熱い応援をしていました。時折A先輩も女子たちに手をふってくれて、その度に『きゃー---!!!』という声があちこちから聞こえていました。
しかし、数分後にきづいてしまったのです
先輩がキム〇クになりたい男だということを・・・
点を決める度に女子たちにむかって、胸をグーで二回タッチしてそのこぶしを私たちむけるんです。
心がザワザワする女子たち・・・
もしかしてまさかだけど実はA先輩そっち系??
みんながザワザワしてきたときにトドメの一言。
ミスをした仲間にA先輩が自分の胸をたたきながら『ドンマイ。気にすんな。心強くもてよ』と・・
一斉に引いていく女子たち。
心強くもてよー!って言いながら胸をたたくのも、こぶしを女子にむかって高くふりかざすのも、キム〇クだからこそかっこいいのです。キム〇ク以外だともうそれはナルシスト男になってしまうのです。
一方B先輩は女子の呼びかけに対してなぜかペコリと会釈をしてくれるのが
可愛い!!となり、みんな一気にB先輩に夢中に・・・
こちら側に転がってきたボールを渡すときも
A先輩『サンキューな』キラーん
B先輩『ごめんね。大丈夫?ありがとう』ぺこり
一日にしてB先輩旋風が巻き起こりました。
きわめつけに試合終了後B先輩はボールを片づけたり、審判をしていた先生に飲み物を持っていってました。一方A先輩は試合終了するなり女子の元へ駆けつけて『応援ありがとうな』キラーンとまぶしすぎる笑顔でいわれましたが、苦笑いしかできない女子たちでした。
モテることがわかっても決してキム〇クのように一般人がふるまってはいけないのです。B先輩のように自分に過剰な自意識を持たずに何事も真面目にしているのを女子は見ているのです。その後もB先輩は女子たちからキャーキャー言われていましたが、卒業するまで態度が変わることもなく、いつもペコリとしてくれて、それがもう女子にはたまりませんでした。
ナルシストな男性を好きな女の子もごく少数いるかもしれませんが、圧倒的大多数で女子はナルシストが苦手です。
車のルームミラーで前髪チェックなどしていませんか?
カラオケを歌うときバラードを目をつむって歌っていませんか?
ピタピタのタンクトップは着ていませんか?
女子は色々なところでナルシスト判定をしてしまいます。
その代わりB先輩のように目立たなくても一瞬の立ち振る舞いで好きになったりもします。
次回は道に迷う男です。